御池岳 〜可憐な花々を訪ねて〜
<鞍掛トンネル東口P〜コグルミ谷登山口〜御池岳八合目先(往復)>
2019/5/19(日)
 石灰岩地帯にある御池岳のなだらかな山頂にはカルスト地形があり、それを見る目的で学生時代に登ったことがある。鈴鹿山脈の最高峰なのにセブンマウンティンにも入っていなくて、登山道の整備状態も悪く訪れる人は少なかったように思う。
 現在は、山頂一帯の独特の日本庭園のような風景や、自然が豊かで可愛い花々やリスなどの小動物に会えることから人気のある山になっているようだ。
 花が多く見られるというコグルミ谷を登り、御池岳山頂から鈴北岳を経由して尾根道を下って鞍掛トンネル東側の登山口へ下りる計画を立てた。
 
・名古屋は晴れの予報だったが、登り始める頃から小雨がぱらつき、カタクリ峠は強めの南風が吹いていた。更に八合目手前から霧がかかりだし時折大粒の雨も降ってきた。
・ このまま進んでも山頂は雲の中の可能性があり、強風の中の尾根下りも心配なので八合目先の御池岳・鈴北岳分岐で引き返すことにした。カタクリ峠で昼食中に青空が見えたが雲の流れが速く、駐車場に戻った頃には再び雨が降り出した。
・ 帰宅後に調べてみたところ御在所岳ロープウェイは強風のために終日運休だったという。山頂では風速15m近い風が吹いていたと思われ、引き返したことは正解だったと思う。
・ 予定した行程は1/3程で終わってしまったが、最大の目的だった希少種のクマガイソウに出会えたただけでも幸せだった。
・クマガイソウは登山路沿いで見掛けることはなく、居合わせた登山者に教えて貰って自生地を知ることができた。登山路から離れて急斜面を登った所に一箇所だけ小群落があり、咲きそろった花を見ることが出来た。
・近年になって自生地が激減、繁殖力が弱いことから絶滅が心配されている植物である。残されたこの群落が大きく育って欲しいと願うばかりである。
    ○歩行距離
    (含標高差)
P<1.5km>コグルミ谷登山口<1.6km>カタクリ峠<0.9km>御池岳八合目先の鈴北岳分岐(往復)  8.0km
    ○歩行時間 P7:30-7:47コグルミ谷登山口-9:57カタクリ峠10:02-10:46御池岳八合目先の鈴北岳分岐11:00-11:30カタクリ峠55-13:07コグルミ谷登山口-13:40P  6時間10分
    ○ 駐 車 地 鞍掛トンネル東口駐車場(20台 無料)
この地図は、国土地理院長の承認を得て、同院発行の電子地形図(タイル)を複製したものである。(承認番号 平30情複、第1133号
この地図を更に複製する場合は国土地理院長の承認が必要である
鞍掛トンネル東口駐車場(出発) R306沿いに咲いていたフジ
コグルミ谷登山口
入口には2台の車が駐車中
登山道に入ってすぐの斜面に小動物有り
ニホンアナグマ?
石灰岩の涸谷を登る ヤマブキソウ クルマムグラ イチリンソウ
キランソウ タテ谷分岐 ミヤマハコベ ヒメレンゲ
オドリコソウ ニリンソウ
萼片の裏側に赤みがある種類のようだ
ニリンソウ
片方しか咲いていないものが多い
沢沿いの急坂が続く
水場<長命水> ヤマネコノメソウ
花が終わって実が出来ている
五合目 イワカガミ
六合目・天ヶ平<カタクリ峠>、休憩中の一団有り
峠を吹き抜ける南風が気がかりに…
カタクリ
峠付近に多いが花は終わり結実している
峠までの急坂から解放
比較的緩やかな登りへ、ホッ!
ギンリョウソウ
七合目 バイケイソウ群落 ヒカゲノカズラ 鈴北岳尾根道分岐
霧がかかるようになってきた
八合目
先行者の「リスがいる」との声、確認できず…
ニリンソウ群落 御池岳・鈴北岳分岐
雨粒も大きくなり登頂を断念!
苔むしたカッレンフェルト<鈴北岳尾根道>
尾根道を少し登ってみたところやはり風も強い!
鞍掛トンネル東口駐車場(帰着)
この日は観光バス2台・マイクロバス1台が来ていた
クマガイソウ
ラン科アツモリソウ属・大きな袋状の花と扇形の葉が特徴・日本最大の野生ラン
膨らんだ唇弁を武士が矢を防ぐために背負った母衣(ホロ)に見立て、源平合戦の一ノ谷の戦いで源氏の武将熊谷次郎直実がうら若い平家の武将平敦盛を討った故事に因む
がっしりした姿で花が大きい方をクマガイソウ、優しげな姿の方をアツモリソウと名付けられた
登山路を離れた急斜面の高所に
数十株のクマガイソウの群落有り
対生する2枚の葉の中央に一輪の花有り
皆同じ方向を向いているのが可愛い!
大きな花なのに結実するのはごく僅か
種子も繁殖力が弱く、地下茎で増殖し群落を形成
実生繁殖出来ないために盗掘されて激減
環境省の「絶滅危惧II類」に指定されている
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