藤原岳 〜春の花々を訪ねて孫太尾根から表道へ〜 | ||
<孫太尾根登山口〜藤原岳山頂〜表道登山口> | ||
2020/3/18(水) |
藤原岳については夏のシーズンに表道を往復した経験はあるが、雪が残る時期の登山は初めてである。 | ||
春の花々が多く見られるという魅力に惹かれて、急坂の直登が多く距離も長い孫太尾根往復にチャレンジすることにした。 | ||
孫太尾根はバリエーションルートであり、標識は少なく踏み跡の薄い所もあるという情報から入念に下調べして登山計画を立てた。GPSロガーも2台携行し万全を期した。 | ||
・尾根に取り付く辺りから低木のシキミやコショウノキを始め多くの種類の花々に出会うことができた。丸山付近では、セリバオウレン、ヤマネコノメソウ、カテンソウ、セツブンソウ、ミスミソウ、ヒロハノアマナなどが次々と現れた。 | ||
・藤原岳山頂直下のセツブンソウ・フクジュソウ群落は、丁度見頃だったが岩場の急斜面を移動しながらの鑑賞で疲れた脚には堪えた。復路の表道九合目付近のフクジュソウ群落も良かった。 | ||
・丸山のセツブンソウは終わりかけで、フクジュソウは見付からなかった。山頂直下のセツブンソウはまだ瑞々しさを保っていた。 | ||
・孫太尾根道は、予想はしていたもののさすがに足腰に疲れを感じて小休憩を繰り返しながらの登りとなった。更に花の撮影時間(丸山と直下の斜面を合わせて1時間程)も加わって予定を大幅に遅れての山頂到着だった。 | ||
・山頂直下群落手前で休憩中に下って来た同年配と思しき方に声を掛けられ、聞けば79歳という。「2年後の自分はこの方のように登れるだろうか?」という思いだった。 | ||
・足腰への負担が予想以上だったので復路を緩やかで安全な表道経由に変更、電車を利用して伊勢治田駅から徒歩かタクシーで駐車地へ戻ることにした。 | ||
・神武神社付近で出会った女性グループのご厚意で駐車地まで車で送って頂き、日没前に駐車地に戻ることができ本当に有り難かった。ヘッデンを着けて1時間位歩くことも覚悟していた。 | ||
・孫太尾根道は良く整備されていたが標識は手製のものが少しある程度、滑りやすい急坂や踏み跡が不明瞭な岩場もあり気の抜けない状態が続いた。表道も雪解け水でドロドロの状態が山頂から八合目手前まで続き、スリップに細心の注意が必要だった。 | ||
・体力の限界を感じた山行だったが、多くの可愛い花々に出会いながら無事に歩き終えたという達成感は大きいものがあった。 | ||
○歩行距離 (含標高差) |
孫太尾根登山口・P<2.7km>丸山<1.7km>草木<1.4km>多志田山<0.6km>山頂直下自生地<0.4km>藤原岳<0.8km>藤原山荘<1.0km>九合目<0.5km>八合目<1.3km>五合目<2.0km>表道登山口…P | 12.4km |
○歩行時間 | 孫太尾根登山口・P7:22-9:18丸山46-11:02草木-12:08多志田山-12:50山頂直下自生地13:18-13:55藤原岳・昼食14:20-14:43藤原山荘49-15:34九合目-15:52八合目-16:35五合目-17:40表道登山口…P | 10時間18分 |
○ 駐 車 地 | 孫太尾根登山口手前の墓地の駐車スペース | |
<こちらにも掲載> | https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2264389.html |
この地図は、国土地理院発行の電子地形図(タイル)を複製したものである。 | ||
♪♪ |
墓地の駐車スペース(222m 7:22) 「孫太尾根入口」と書かれた手製標識 |
手製標識・丸太階段に落ちたヤブツバキの花 登山道は地元の愛好家により整備されているという |
神武社殿跡 整備された道を登る、有り難いことだ |
滑り易い急坂を登って尾根道へ | |
|
||||
谷越しに竜ヶ岳に続く尾根が見える |
この辺りから色々な花々との出会いが続く 仄かな香りのあるコショウノキ |
タチツボスミレ | 岩場の急坂を登る |
セリバオウレン (大きな葉はカンアオイ) |
右手に視界が開けた 阿下喜駅南の員弁川橋辺りのようだ |
アセビ | シキミ |
ヤマネコノメソウ | カテンソウ | セツブンソウ 今回会いたかった花の一つ |
コハコベ |
オモト 自生しているのを初めて見た |
オニシバリ | カレンフェルトの丸山山頂(645m 9:36) 手製標識(登山口〜丸山〜草木)有り |
セツブンソウ 花びら(萼)に傷みがあり時期的に遅めのようだ |
結実しているものある | 残雪のある尾根道を進む | ヒロハノアマナ | スハマソウ? | |
ミスミソウ | 右手に藤原鉱山が見えてきた | 石灰石採掘場 重機の音も聞こえる |
カレンフェルトの草木山頂を進む(834m 11:02) | |
草木を過ぎた辺りからの藤原岳、まだまだ先だ! 標高差40〜50m下って多志田山の登りへ |
落書きブナ、女体?の横に1999.12.26とある 不届きな輩がいるものだ! |
「の」の字形に曲がりくねった樹木 どうやってこんな形になったのだろう? |
手製山名表示がある多志田山頂(965m 12:08) 無標識の三叉路で下山時に治田峠へ進み易い |
|
多志田山の先には 立ちはだかるように藤原岳山頂有り |
20〜30m下った鞍部先の治田峠分岐標識 孫太尾根(難路)の腕木の方向?? 最後の登りへ、息が上がり50m程登って休憩… |
疲れもピークで更に50m程登って又休憩(12:50) 楽になり周りを見渡すと、何とフクジュソウが点々と… 今日会いたかった二つ目の花だ |
セツブンソウも彼方此方に咲いている | |
薄い絹のような花びら(萼)も瑞々しい 萼片(白)、花弁(黄)、葯(青紫)、雌しべ(薄紅) 色彩豊かながら上品に着飾っている感じ… |
カルンフェルトの急斜面が フクジュソウやセツブンソウの群落になっている |
日差しを一杯に浴びたフクジュソウ | ||
30分近くも急斜面を上下左右に移動して セツブンソウとフクジュソウを十分に堪能(13:18) |
再び山頂まで標高差100m程 カレンフェルトの岩場を薄い踏み跡を探して登る |
|||
山頂付近の見事なカレンフェルト | 予定を2時間遅れて藤原岳山頂着(1144m 13:55) 遅い時刻ながら数人のハイカー有り |
孫太尾根(中央)・竜ヶ岳(右) | ||
竜ヶ岳方面 | 天狗岩(左)・藤原山荘(右) | 広く平坦な藤原岳山頂部 | ||
山頂直下の登山道は泥田の状態 | 藤原山荘への道も雪解け水でぬかるみ状態 | 藤原山荘・WC(1090m 14:43) | 藤原山荘からの道もドロドロ | |
九合目手前からフクジュソウが出現 | 泥道は八合目手前まで続く | 残雪の斜面に咲くフクジュソウ | ||
登山道のすぐ際にも… | 日が傾いたせいか少し閉じているものが多い | 930m(15:34) | いなべ市中心部(中央) 太平洋セメント藤原工場(右) |
|
八合目を過ぎてようやく歩き易い道に… 831m(15:52) |
560m(16:35) | 不動明王の石仏が立つ二合目(310m 17:10) | 神武神社参道 表道登山口(160m 17:40) |
案内にも 表道沿いのセツブンソウとフクジュソウの紹介有り |